「システムの動作についてシステム提供者と開発者のいずれにも責任がないという前提に立つと、どんなシステムも怖くて利用できなくなってしまう。システムの利用者が泣きを見るような社会になったら、Eコマース(電子商取引)は成り立たない。IT業界の人には、これでいいのかよく考えてもらいたい」――。 こう訴えるのは、岩倉正和弁護士だ。岩倉弁護士は、みずほ証券が株誤発注の損失など約415億円の賠償を東京証券取引所に求めた裁判で、みずほ証券側の訴訟代理人を務める。 みずほ証券は2009年12月18日、東証に約107億円の支払いを命じた12月4月の東京地裁判決(関連記事1)を不服として東京高裁に控訴した。東証は12月14日に控訴見送りを発表(関連記事2)しており、みずほ証券の対応に注目が集まっていた。みずほ証券は、一審判決を不服とする考えを改めて表明したことになる。 高裁での審議を控えたいま、岩倉弁護士の問題