廃墟のまま放置されている住宅の所有者は、その家をどうするつもりなのか。各地の放置分譲地を取材するブロガーの吉川祐介さんは「持て余して放置しているのではないかと都合よく解釈していたのだ、実際は違った。所有者さんに直接話を伺うと、売る気がない人が多く、放置することへの危機感もなかった」という――。 別荘が1軒も建っていない「別荘用分譲地」 筆者は主に千葉県北東部の「限界分譲地」をはじめ、関東各地の古い別荘地の取材を続けている。今年(2023年)は、筆者が暮らす九十九里平野・千葉県横芝光町の自宅から、およそ車で15分程度の範囲内に点在する空き家や空き別荘の登記事項証明書を取得し、その所有者さん数名に連絡を取る機会があった。 これは知人の家探しの手伝いという個人的な都合で始まったのだが、筆者の関心の高いテーマでもあった。空き家を売りに出す所有者の声は聞くことがあっても、売りにも出さなければ使っても