東日本大震災の復興予算が復興と関係の薄い事業に使われている問題で、復興予算とそのうちの全国防災対策費(全国防災)から、内閣府が全国の自殺対策事業として計67億円を既に交付したり、要求したりしていることが分かった。全国防災は首都直下や南海トラフの地震など切迫する大災害への備えが本来の目的。内閣府自殺対策推進室は「震災による心の被害を未然に防ぐという意味では防災に当たる」と釈明している。【池田知広、樋岡徹也】 「地域自殺対策緊急強化事業」として、47都道府県を通じて自治体の電話相談や相談窓口担当者の養成などを支援するもの。11年度3次補正予算で計37億円を交付し、来年度予算でも全国防災から30億円を要求している。 同事業は09年度から一般会計を財源に基金を積み増ししながら実施されてきた。下地幹郎防災担当相は12日の記者会見で「緊急性や即効性という基準からすると、震災前から一般会計で予算要求して