◇自由な個人の連帯こそ 3月の震災以降、しきりに連呼されるようになった言葉に「絆」がある。「3・11」「帰宅難民」「風評被害」「こだまでしょうか」といった震災関連の言葉とともに、今年の流行語大賞にも入賞を果たした。 確かに私たちは被災経験を通じて、絆の大切さを改めて思い知らされたはずだった。昨年は流行語大賞に「無縁社会」がノミネートされたことを考え合わせるなら、震災が人々のつながりを取り戻すきっかけになった、と希望的に考えてみたくもなる。 しかし、疑問もないわけではない。広辞苑によれば「絆」には「(1)馬・犬・鷹(たか)など、動物をつなぎとめる綱(2)断つにしのびない恩愛。離れがたい情実。ほだし。係累。繋縛(けいばく)」という二つの意味がある。 語源として(1)があり、そこから(2)の意味が派生したというのが通説のようだ。だから「絆」のもう一つの読みである「ほだし」になると、はっきり「人の
県立医大職員をつかった甲状腺の模擬検査で動画を投影した鈴木真一教授(右)は、「この人の判定も(20ミリ以下ののう胞ありの)A2です」と語った=福島県郡山市のビッグパレットで2012年11月4日、栗田慎一撮影 東京電力福島第1原発事故を受け福島県内の当時18歳以下の子供を対象に行われている甲状腺検査について、検査主体の県立医大による初の県民説明会が4日、同県郡山市で開かれた。開示請求しなければ甲状腺画像が提供されないことに批判が相次ぎ、検査責任者の鈴木真一教授は「開示を検討したい」と応じた。 検査は昨年10月から始まり、約3分の1に当たる11万5000人分の1次検査を終えたが、「検査結果の説明が不十分」との批判が高まっていた。 説明会は約70人が参加。鈴木教授は「現時点では甲状腺がんが増える可能性は低い」「福島の子どもの検査結果が異様なわけではない」と強調しつつ、「日本ではこれまで小児甲状腺
北陸電力志賀原発。奥が1号機、手前が2号機。電力債で得た巨額の資金が投じられたとみられる=石川県志賀町で2009年12月、本社機から小関勉撮影 原発建設には多大な資金が必要だ。電力会社の資金調達を巡る政策決定に新聞記者も関与していた。 東京電力福島第1原発事故を目の当たりにし、田中洋之助・元毎日新聞論説委員(89)は後悔している。現職当時の70年代半ば、電力会社の社債(電力債)発行枠拡大を議論した旧通商産業省電気事業審議会(現経済産業省総合資源エネルギー調査会電気事業分科会)にメディアから唯一、学識経験者委員として参加した。「あれで中小の電力会社まで原発を持てるようになった。東電の社債は日本の金融システムを左右するほど巨額になってしまった」 電力会社は戦前から、低利で長期間調達できる社債で設備投資の多くを賄ってきた。かつての商法は一般企業に対し、債権者保護を理由に純資産額、または資本金と資
東日本大震災で東京電力福島第1原発が止まった昨年3月11日、同社の勝俣恒久会長(72)と鼓(つづみ)紀男副社長(66)=いずれも当時=は、毎日新聞を含むメディア関係者らとのツアーで中国・北京にいた。「週刊文春」3月31日号の記事をきっかけに「東電による接待旅行だったのでは」との疑問の声が上がった。実際はどうだったのか。 ツアーの実質的な主宰者は石原萌記(ほうき)・日本出版協会理事長(87)。社会党右派出身で、左翼陣営に対抗して自由主義を掲げ、1950年代から文化人の組織化や日米交流などの活動をしていた人物だ。その活動を当時の東電社長、木川田(きがわだ)一隆氏が支援し、後に経団連会長となる平岩外四(がいし)氏が総務課長として連絡役を務めた。 「日本の政財界、マスコミ界と中国の指導者層が定期的に交流する機会を作りたいと考え、平岩先生の協力を仰いだのです」。石原氏によれば、親しい元中国人留学生か
美浜町の山口治太郎町長は8日、町の原子力防災計画の見直しを議論する防災会議で、美浜原発について「外に放射能を出すことはないと思っている。(放射性物質が外に漏れない)対策はとれている上で、防災体制を進めていくということをご承知いただきたい」と述べた。 福島第1原発事故では、「想定外」の事態が起きて広範囲に大量の放射性物質が飛散した。このため国は、原発事故時の対策を全面的に見直すことにし、原子力規制委員会が先月、住民の避難対策などを充実させる地域を30キロ圏に広げた「原子力災害対策指針」を示した。 会議は、この指針を受けて初めて開かれた。県や関電の幹部ら24人の委員が出席したが、約1時間半の会議の大半は町からの概要説明に費やし、委員から原子力防災に関する意見や質問はなかった。【柳楽未来】
東京電力は2日、10月10日に福島第1原発の港湾内で採取したマアナゴから、1キロ当たり1万5500ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。港湾内の魚類の検査結果が公表されたのは初めて。 東電によると、10月9〜16日に港湾内と沖合20キロ圏内から魚類を採取。港湾内ではこのほか、エゾイソアイナメから同4200ベクレルのセシウムが検出。沖合約2キロではクロソイが同1470ベクレルだった。 これまでの最大は、今年8月に沖合約20キロのアイナメから検出された同2万5800ベクレル。【鳥井真平】
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