規制の対象を放送からインターネットまで拡げ、政府の権限を大幅に拡大する危険性をはらんだ放送法の改正案が、27日、衆院を通過した。 改正案は、現在異なる法律で規制されている放送と通信を一元化し、縦割り行政の弊害を排除するというもの。民主党政権は25日の委員会強行採決に続き、27日には衆院本会議でこの法案を可決させたのである。 しかし、縦割り行政の弊害を排除するものといいながら、大きな問題が隠されている。、立教大学社会学部の砂川浩慶准教授は、この法案にはクロスオーナーシップ(メディア機関による相互持合い)の制限や日本版FCC(米連邦通信委員会)の設立など、これまで民主党が提唱してきた放送行政の改革がまったく含まれていないだけでなく、放送や言論に対する政府の権限を拡大する条文が多く含まれるなど、従来の民主党の主張と逆行した内容になっていると批判する。 特に砂川氏は、この法案が規制対象を従来
柳澤協二前官房副長官補(安全保障・危機管理担当)は米軍普天間飛行場の移設問題について、産経新聞に「普天間問題・・・『海兵隊が沖縄にいる抑止力』を考える」と題する論文を寄稿した。内容は以下の通り。 鳩山政権の下で普天間移設をめぐる迷走が続いている。私は、それは、前政権の対米約束と、選挙における県外移設の約束の間で生じた「政治的迷い」、と思っていた。だが、昨年末、鳩山由紀夫首相が初めて抑止力に言及し、「抑止力の観点から、すべてをグアムに移すことは困難」と発言したのを見て、迷走の原因は、首相の「戦略的無理解」にあると確信した。 海兵隊は、いつでも、世界のどこでも出動するもので、予め特定地域の防衛に張り付くような軍種ではない。したがって、「沖縄かグアムか」という問いに軍事的正解はもともと存在しない。それを決めるのは、抑止力をいかにデザインするかという政治の意志にかかっているからだ。 国の安全保障政
官房機密費を政治評論家に配った――野中広務・元官房長官のこんな発言が波紋を広げている。「政治と金」を厳しく追及してきたはずのマスコミの側に「マスコミと金」の問題が急浮上した形だ。政治部記者の「接待」を機密費で面倒みたと話す、かつて小沢一郎氏(現・民主党幹事長)の懐刀といわれた平野貞夫・元参院議員(74)に話を聞いた。 接待うけた記者がその後出世していった 辞める直前の細川護煕首相(当時)から「お世話になった人たちにお礼をしたいので、機密費の使い方を教えてくれ」と電話が入ったこともある、と話す平野貞夫さん。 ――官房機密費の対マスコミ使用について、直接経験したことを聞かせて下さい。 平野 昭和40(1965)年の終わりから2年間ぐらいの話です。当時、衆院事務局に勤務しており、園田直・衆院副議長の秘書を務めました。園田さんに言われて竹下登・官房副長官のところに報償費(官房機密費)を月々300万
沖縄県辺野古の米海兵隊キャンプ・シュワブの境界線上でメッセージを書いたワセックさん=2010年4月24日。(撮影/筆者) 高遠菜穂子リポート「破壊と希望のイラク第16回」 米軍の「残虐性」直視を――ファルージャから沖縄へ、ワセックさんの思い 「あの米軍がこの美しい島から来ていたなんて想像もしなかった」 イラク最激戦地ファルージャから来日したワセック・ジャシムさんは、沖縄の辺野古の海岸でそうつぶやいた。鉄条網の向こう側は、ファルージャ総攻撃の主力部隊、米海兵隊キャンプ・シュワブ。それにまつわる記憶はあまりにも残酷なものであったため、この五年は彼の心の奥底に封印されていた。 ワセックさんは、「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」の招聘で来日し、全国五都市(名古屋、広島、東京、大阪、沖縄)を回るスピーキングツアーを行なった。彼の映像と体験談は、イラク戦争を検証する上で非常に貴重な証言となっ
(資料)2014年までに、海兵隊・普天間飛行場部隊の殆ど全てがグアムに移転する~米国環境影響評価ドラフト・海兵隊提供資料・グアム協定・ロードマップ該当部分紹介(ユーチューブ約5分) 日米共同声明(2+2)が発表された28日の鳩山総理の発言の中に、普天間代替施設である辺野古の滑走路が、どのような目的のために使用されるのかについての言及は、まったくありませんでした。 沖縄海兵隊の相当部分(キャンプ・コートニー〈3MEF司令部〉、キャンプ・ハンセン〈陸上部隊〉、普天間飛行場、キャンプ瑞慶覧〈司令部〉、牧港補給地区等)が、2014年までにグアムに移転することは、グアム協定およびロードマップで合意された既定路線です。 2009年11月に米国が発表した「沖縄からグアムおよび北マリアナ・テニアンへの海兵隊移転の環境影響評価/海外環境影響評価ドラフト」をもとに防衛省が作成した資料によると、沖縄からグアムに
普天間飛行場の移設先として「最低でも県外」を公言してきた鳩山首相が、最後に「辺野古」を選ぶしかなかった理由としてあげた唯一の理由が、「米海兵隊の抑止力」だった。 28日に日米間で合意した共同声明でも「沖縄を含む日本における米軍の堅固な前方のプレゼンスが、日本を防衛し、地域の安定を維持するために必要な抑止力と能力を提供すること」と明記され、米軍が沖縄に駐留することの必要性の根拠を抑止力に求めている。 しかし、鳩山首相も日米共同声明も、抑止力の中身については、何ら具体的に明らかにしていない。 日米の安全保障問題に詳しく、外務省ではもっぱらインテリジェンス(諜報)畑を歩んできた元外務省国際情報局長の孫崎享氏は、米海兵隊の抑止力論を、「まったく的外れな主張」だとして一蹴する。 海兵隊は有事の際に真っ先に戦闘地域に派遣される急襲部隊であり、「抑止力とは何ら関係がないというのは軍事の常識」だと孫崎氏は
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