戦争はしばしば精神障害の引き金となるが、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する兵士の中には「従軍していたときのほうが心が安まった」と報告する者も多いという。それはなぜなのか? デンマークの研究者がアフガニスタンで従軍した兵士366人を対象に調査を行ったところ、8割強の兵士はほとんどPTSDを発症していなかったが、PTSDを発症した残りの兵士のうち大半は、子どものころに厳しい体罰を受けた、家庭内暴力を目撃したなど、過去に何らかのトラウマを経験していることが分かった。そのような子どもは危険信号に敏感になったり、逆に死や闘いといった極限の状況から自分を切り離して考えるようになったりするものだ。そういった行動や心理状態が戦場で生き残るために功を奏したため、心が安まる感覚をおぼえたのではないかと分析する学者もいる。 また、家庭内でトラウマを経験した子どもは自分が無力に思えたり、頼る者のいない孤
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