原発の立地を受け入れることで、多額の交付金にとどまらず、様々な寄附を受け、さらに雇用も経済基盤も得られてきたというのが実際である。 原発が廃止されると、それらを失うということで、従来のマチの存立基盤すら危うくなるというおそれから、地元としてはなんとしても原発存続を願うという構図になりやすい。 たとえ、目の前では福島第一原発の周辺自治体が塗炭の苦しみを舐めているのがわかっていても、事故は(多分)起こらないということに賭けて、要するにリスクには目をつぶって、経済基盤の維持を優先したいというわけである。 単に首長や議員という立場からだけでなく、自治体住民の立場からしても、なんとか経済基盤を失いたくないということになるだろう。 この出来事は、炭鉱で栄えたマチの運命を思い起こさせる。 全国各地に炭鉱町が存在していたが、そのほとんどは、国のエネルギー政策の転換により、つまり石炭依存をやめるという政策に