こないだネット上で、心理検査のエゴグラムについて「本性」をとらえる検査のような文章を見かけた。しかし、本当にエゴグラムで「本性」がとらえられるものだろうか。そのあたりについてつらつらと書いてみる。 エゴグラムは「本性」を見抜くタイプの検査ではない デジタル大辞泉によると、本性(ほんしょう)とは、 本性(ほんしょう) 1 《古くは「ほんじょう」とも》本来もっている性質。生まれながらの性質。ほんせい。「―をあらわす」 2 本心。また、正気。「酔って―を失う」 とある。 だが臨床ベースの感覚では、エゴグラムという検査から本性というボキャブラリーは想像できない。むしろ、本性からいちばん遠い部類の心理検査ではないかと思えてしまう。 たとえば私のエゴグラムのパターンは、二十代の頃と三十代後半の頃ではおおきく形が変わっている。仕事に行き詰っていた頃のエゴグラムのパターンは、いかにも葛藤の大きそうなかたち