生まれたばかりの赤ちゃんや就学前の幼児など子ども60人以上が、過去3年間に、「ESBL産生大腸菌」と呼ばれる、複数の抗生物質が効かない細菌に感染して命に危険が及ぶような重い症状になり、確認されただけで2人が死亡していたことが、専門の医師で作る学会の調査で明らかになりました。幼い子どもの間でESBLによる全国的な健康被害の実態が明らかになったのは初めてで、専門家は「出産の際に母親から感染したとみられる赤ちゃんも多く、医療現場での感染対策を検討する必要がある」と指摘しています。 日本新生児成育医学会と日本小児感染症学会は、ここ数年、この細菌を体内に持つ健康な大人が増えているという調査結果を受け、早産の赤ちゃんなどに影響が出ていないか全国520の医療機関を対象に調査しました。その結果、去年までの3年間だけで、生まれたばかりの赤ちゃんや就学前の幼児を中心に、少なくとも65人がこの細菌に感染し、入院