特定の人種や民族への差別をあおる言動をなくすため、国や自治体に取り組みを促すヘイトスピーチ解消法の施行から、6月3日で8年を迎える。条例の制定や差別を違法とする判例を後押しし、反差別の意識を醸成してきた一方、首都圏ではクルド人に対する排斥デモが昨年から頻発。参加者は、在日コリアンを攻撃してきた人物と重なる。放置すれば、差別は増幅する。解消法が掲げる差別なき社会の実現に向けて、何ができるだろうか。(森本智之、岸本拓也)
経団連の十倉雅和会長は20日の会見で、岸田内閣の支持率が20%台と低迷する理由を問われたのに対し「一つ一つの施策はいいことをやっている。防衛、GX(脱炭素化)、原子力、デフレからの完全脱却など、きちっとした政策だと私たちは思っている」と述べ、極めて低い支持率に疑問を呈した。 経団連は10月に発表した各政党の政策評価で岸田政権の与党、自民党に対し「大変評価している」と最大限の評価を与え、政治献金の対象にお墨付きを与えた経緯がある。 十倉会長は、自民党幹部が「これ以上、何をやればいいのか」と悩んでいることも挙げて「大きなストーリーを国民に分かってもらう発信の仕方、そういう工夫があればとは思う」と述べた。最後は「外交でも成果があるのに、それが数字に表れないのはどういうことなのか。むしろ皆さんにお聞きしたいぐらいだ」と報道陣に逆質問していた。(久原穏)
27日、ミャンマー・ネピドーで、国軍記念日の式典に出席したロシアのフォミン国防次官(中央)=ロシア国防省公式サイトから 【モスクワ=小柳悠志】ロシアがミャンマー国軍に対して武器輸出や軍事協力などで支援を強化している。軍高官が相次いでミャンマーを訪問したほか、2月のクーデターではいち早く国軍を支持。米中が繰り広げる東南アジアでの勢力争いで、ミャンマーを橋頭堡にくさびを打ち込む狙いがありそうだ。 ロシア国防省は2月3日付の公式紙「赤い星」で、「昨年11月の総選挙で不正があり、ミャンマー国軍は行動せざるを得なかった」と国軍の動きを追認した。世界的にも異例なクーデター支持だが、政治学者のマカルキン氏は「欧米にとって非難すべきクーデターは、ロシアにとって仲間づくりの好機」と語る。
家事代行業に就くため多数のフィリピン人女性を採用していたニチイ学館(本社・東京都千代田区)=9日、都内で 国家戦略特区での家事代行業に就くため「ニチイ学館」(東京)に採用され来日したフィリピン人女性の一部が所在不明になった問題で、同社が2月中旬、女性たちが住む従業員寮約20カ所を抜き打ちで一斉調査したことが分かった。一部では同意なく引き出しを開けたり、部屋干しの下着の写真を撮ったりなどしたといい、女性たちは「プライバシーや人権侵害では」と訴える。(望月衣塑子) 同社関係者やフィリピン人女性によると、同社の日本人従業員は二人一組で、2月16日の午前と午後の2回、関東・関西地方と名古屋市にあるニチイと契約したフィリピン人女性が住むシェアハウス約20カ所を訪問。不在の人の持ち物も含めてベッドや引き出しの中を調べたり、写真を撮ったりして在宅勤務の態度や服装、整理整頓の様子などをチェックしたという。
WT座長には石原伸晃元幹事長、事務局長に西村明宏氏が就く。この2人と党内の関連部会長の冨岡勉、奥野信亮両氏の計4人であらかじめ論点をまとめる。 下村博文政調会長は10日の記者会見で「ニュートラル(中立)な方に幹部になってもらった」と話し、女性議員が論点整理に加わらないことに理解を求めた。党内や国民の間に多様な意見があることを踏まえ「拙速な議論はしない」と、期限を設けずに検討する考えを示した。 選択的夫婦別姓を巡っては、昨年末の第5次男女共同参画基本計画策定の際に党内で議論が紛糾。政府原案では、民法の夫婦同姓規定により96%の女性が結婚で姓を変更している現状に触れていたが、党内の慎重意見を踏まえ、この部分や原案にあった「選択的夫婦別姓(別氏)」の文言が削られるなど記述が大幅に後退した。(川田篤志)
厚生労働省が省内の全部局に、根本匠厚労相の指示として「非正規」や「非正規労働者」という表現を国会答弁などで使わないよう求める趣旨の文書やメールを通知し、本紙が情報公開請求した後に撤回したことが分かった。同省担当者は撤回の理由を「不正確な内容が散見された」と説明。根本氏の関与はなかったとしている。 (中根政人) 厚労省雇用環境・均等局によると、文書は「『非正規雇用労働者』の呼称について(周知)」という件名で四月十五~十六日に省内に通知。当面の国会答弁などの対応では、原則として「有期雇用労働者」「派遣労働者」などの呼称を用いるとした。「非正規雇用労働者」の呼称も認めるが、「非正規」のみや「非正規労働者」という表現は「用いないよう留意すること」と注意を促している。 各部局に送信したメールには、同じ文書を添付した上で「『非正規雇用』のネーミングについては、(中略)ネガティブなイメージがあるとの大臣
二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの暑さ対策の目玉である道路の「遮熱性舗装」が、逆に熱中症のリスクを高めるとする研究論文が三十日発表される。太陽光の反射によるとみられる熱で人の顔の高さの気温や熱中症の指標となる暑さ指数(WBGT)が上昇するという。都は都道約百三十キロに整備済みだが、研究者は「今のまま突き進むのは危険」と中止を訴えている。 論文は東京農業大の樫村修生教授(環境生理学)が、日本スポーツ健康科学学会で発表する。七月二十六日と八月八日の日中にさいたま市内で、遮熱性舗装と、隣接する通常のアスファルト舗装の道路上で気温などを計測、比較した。 気温は両日とも、路面からの高さ五十センチ、百五十センチ、二百センチの三カ所の全計測点で、遮熱性舗装の方が高かった。百五十センチでの最高気温は四一度で、アスファルトより二・六度上回った。気温と湿度、日射量などから導くWBGTも一・三度高かった。
外国人労働者受け入れを拡大する入管難民法などの改正案を巡り、立憲民主党など野党七党派は三日、失踪した技能実習生から聞き取ったすべての生データ(聴取票)の書き写し作業を終え、集計結果を公表した。およそ三人に二人が失踪前、最低賃金を下回るような給与水準で働いていたとしている。 野党が書き写したのは、法務省が二〇一七年に失踪者二千八百七十人から聴いた聴取票。一部の聞き取りに重複があったとみられ、計二千八百九十二枚。十一月十九日から衆院法務委員会などの理事らに閲覧が認められ、野党が書き写しを続けてきた。今回すべての集計を終えた。 野党が、書き写した聴取票から時給を計算したところ、千九百三十九人(67・0%)が一六年の全国最低賃金(七百十四円)を下回った。野党は、回答した失踪者の多くは一六年に働いており、賃金を含む過酷な労働環境に耐えかねて失踪したとみている。失踪の動機では「危険」「指導が厳しい」「
陸上自衛隊がイラク戦争後の二〇〇四年一月~〇六年九月、同国サマワで実施した人道復興支援活動について活動状況や教訓をまとめた内部文書「イラク復興支援活動行動史」をジャーナリストの布施祐仁さん(39)が入手し、都内で十四日、概要を公表した。「イラク戦争の検証が不十分なまま安全保障関連法案を採決すれば、取り返しがつかないことになる」と警鐘を鳴らした。 文書は〇八年に陸上自衛隊が作成し、二分冊で計約四百ページある。布施さんが示した概要によると、派遣の根拠となったイラク特措法で自衛隊の活動は「非戦闘地域」に限定されたが、実際は機関銃射撃で敵の動きを止める「制圧射撃」の訓練をするなど、実戦も想定した準備を進めていた。 また、自衛隊は海外での武力行使を禁じられ、隊員の武器使用は正当防衛や緊急避難の場合に限られていた。しかし「武器使用に関する部隊長の意識」という項に「最終的には『危ないと思ったら撃て』との
在日米海軍横須賀、厚木基地があり、沖縄の次に米兵らの犯罪が多い神奈川県で、二〇〇八~一二年の五年間に一般刑法犯(自動車による過失致死傷を除く)として起訴された米軍人・軍属とその家族は、送検された百二十二人のうち、わずか七人(5・7%)だったことが法務省への情報公開請求でわかった。強姦(ごうかん)などの性犯罪では十六人全員が不起訴だった。(皆川剛) 法務省から「合衆国軍隊構成員等犯罪事件人員調」の開示を受け集計した。なお、同じ基地県でも沖縄では、五年間に米兵ら三百十四人が送検され、起訴は六十七人(21・3%)。神奈川の低さが際立つ。 横浜地検が起訴した七人のうち、日本で正式に裁判になったのは、〇八年に同県横須賀市で発生したタクシー運転手強盗殺人事件で無期懲役が確定した横須賀基地所属の元一等水兵と、〇九年の傷害事件の二人のみだった。
【ロンドン=石川保典】ロンドンの大英博物館で三日から、男女の性愛を描いた日本の春画の大規模な展示会が始まる。巡回展が日本でも企画されているが、博物館、美術館からは軒並み断られ、開催が危ぶまれている。 展示会は日英交流四百年を記念。葛飾北斎や喜多川歌麿をはじめとした浮世絵師の約百七十点を展示、春画の歴史からピカソやロートレックなど欧州の芸術家に与えた影響までひもとく。作品は大英コレクションのほか、日米、欧州から集めた。 展示会は、ロンドン大や立命館大、大英などが四年前からプロジェクトチームを組んで研究してきた成果。大英のティモシー・クラーク日本部門代表は「西欧では性的に露骨なアートは禁じられてきた。この春画展は、わいせつとアートの関係を観客に考えさせるだろう」と話す。
タイ・バンコクのスラム街にある唯一の古い図書館が、東京に住む日本人男性の寄付により全面改修される。スラム街の住民らが一昨年、東日本大震災の被災地に貴重なお金を寄付したと知った男性が「十倍のお返しがしたい」と約千百万円の寄付を思い立った。日タイの善意のキャッチボールで住民の夢が実現する。 (バンコク支局・杉谷剛) 首都の南に粗末なトタン屋根の家が密集する東南アジア最大級のクロントイ・スラム。住民が東日本大震災被災者のために募金活動を始めたのは二〇一一年三月十二日、震災の翌日だった。 呼び掛けたのはタイでスラム街の改善運動に長年取り組み「アジアのノーベル賞」と言われるマグサイサイ賞を受賞したプラティープ・ウンソンタム・秦(はた)さん(60)。日本人の夫を持つプラティープさんは「これまで多くの日本人に支援してもらったので、恩返しがしたかった」。約四十万バーツ(当時約百十万円)を被災地に寄付した。
経済産業省が中小出版社や東北の被災地への支援を掲げ、復興予算を投じた書籍の緊急電子化事業で、電子化された書籍の六割近くが出版大手五社の作品だったことが本紙の調べで分かった。中小からの申請が少ないため、大手に頼んで予算を消化していた。25%は東北と関係なく使われており、復興予算のずさんな使い方に疑問の声が上がっている。 この事業は「コンテンツ緊急電子化事業」(事業費二十億円)。東日本大震災で被災した東北で、中小出版社が電子書籍を作る費用を国が半額補助することで、電子書籍市場を活性化するとともに復興に役立てようと、経産省が二〇一一年度第三次補正予算に補助金十億円を計上。東京の社団法人「日本出版インフラセンター」(JPO)に事業委託し昨年度に実施された。 事業計画では(1)出版社が持つ東北関連書籍など復興に役立つ書籍を選定(2)東北・被災地域で一定要件を満たす企業を通じてデジタル化-すると説明。
トップ > 特集・連載 > 憲法と、 > 記事一覧 > 記事 【憲法と、】 9条 世界にアピールを スタジオジブリプロデューサー・鈴木敏夫さん Tweet mixiチェック 2013年5月9日 人間が繰り返した戦争の事実を踏まえ「やっと平和憲法にたどり着いた」と話すスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー 「平和をもたらした憲法九条をもっと世界にアピールするべきだ」。日本を代表するアニメ作品を、監督の宮崎駿さん(72)とともに手掛けるスタジオジブリのプロデューサー、鈴木敏夫さん(64)は訴える。連載「憲法と、」の番外として、鈴木さんの大型インタビューを掲載します。 宮崎駿さんが五年ぶりに監督を務め、七月に公開予定の映画「風立ちぬ」。戦前、三菱重工業名古屋航空機製作所で零戦を設計した群馬県出身の堀越二郎(一九〇三~八二年)の半生をテーマにしている。 ジブリの企画は、いつも宮さん(宮崎監督)か
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