やうやく、板倉雅宣『活版印刷発達史』を眺める機会に恵まれた。 活版印刷発達史―東京築地活版製造所の果たした役割 作者: 板倉雅宣出版社/メーカー: 印刷朝陽会発売日: 2006/10メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 24回この商品を含むブログ (11件) を見るざっと斜め読みして、三つのことを思った。 ひとつは、キューピッドのヴィネットの件や平野活版の商標の件などに見られる新聞広告の調査など、「ああ、よく調べてゐるな」といふ感想。 『活版印刷発達史』pp.159-160に、「明治27年1月『座右之友』で「五号ゴチック形文字」として地名、株式会社、生糸相場など新聞で使用されるような単語が載っている。」といふ記述があるんだども、己の未発表のリサーチでは、この時期に幾つかの新聞が紙面刷新を手がけてをり、『都新聞』が明治二十七年八月二日付の第二千八百七十三号から「商況物価」欄をリニューア