道民にとっても身近な魚サケの生態から人間の暮らしや歴史との関わりまで、サケをめぐる研究や話題を総合的に紹介した「サケ学大全」が出版された。生物学、歴史学、認知科学、水産加工、伝統料理の関係者ら多分野の45人が執筆。様々な視点からサケの魅力に迫る「ミニ百科事典」だ。 編著者はサケの生態研究の第一人者の一人、帰山(かえりやま)雅秀・北海道大国際本部特任教授ら。北大の「新渡戸カレッジ」で学生の留学支援などをする帰山特任教授は、3月まで大学院の水産科学研究院教授を務めた。 A5判、全312ページ。生物学、産業科学、社会科学のそれぞれの視点からサケをとらえた3部構成で、計55話とコラム6本を収録。新聞掲載された企画記事をベースに、大幅に執筆者を増やした。 テーマも多岐にわたる。進化の過程でサケが川から海に下り、大回遊して母川に帰るようになったなぞの解明をはじめ、海と陸との物質循環を担う役割、道内だけ