東松島市図書館は、東日本大震災が風化しないように、市民の被災体験を映像などの記録に残す活動に取り組んでいる。これまで小学4年生から80代までの市民55人が、カメラの前で体験を話した。映像と文字で来年春から公開するほか、防災教育にも役立ててもらうことにしている。 映像は、インタビュー形式で記録されている。37人目の語り手は現在、市立小野保育所で働いている保育士の辺見園恵さん(49)。外出から当時の勤務先の市立牛網保育所に戻ったところで、地震が起きた。海岸から2キロ近く離れており、津波が来るとは思わなかったが、「水田に砂煙が上がったことから気づいた」と振り返った。 玄関などを閉めたが、水は至る所から室内に入り込んでくる。園児を天袋に押し上げ、辺見さんはピアノに上がって、難を逃れた。「津波に耐えられるような高い建物がほしい」と訴え、体験談を語り終えた。 仙台湾に面する同市は、今回の震災で市