宮城県女川町の離島・出島(いずしま)で、麻布大の南正人准教授(動物生態学)らがニホンジカの存在を確認した。島に設置したカメラが雄を撮影した。島民によると、島にシカはいなかったとされ、実際の姿が確認されたのは初めて。島に近い牡鹿半島ではニホンジカが増加傾向にあり、海を泳いで渡ったとする南准教授らの推定が裏付けられた。 南准教授によると、島の北部、中央部、南部の計4カ所に、熱を感知すると撮影できるカメラを設置。画像データを分析したところ、今月3、8の両日未明、北部のデータに雄が映っていた。角などの特徴から同じ雄とみられ、5~8歳程度とみられるという。 専門家によると、シカは夜行性で警戒心が強い。普段は雄と雌は別々の群れで生活し、新たな場所へ移る際は(1)若い雄(2)強い雄(3)雌-の順に動く傾向がある。 南准教授は「シカは島の北部に限らず、広い範囲で活動している可能性がある」と指摘。野生