欧州WLTP 「現実」との乖離 自動車業界は “実燃費” に関する危機に直面している。欧州の燃費・排ガス試験法「WLTP」の欠点が浮き彫りになったのだ。 ここ数週間の間に欧州連合(EU)から2つの報告書が発表され、いずれも早ければ2026年以降に販売される新車に大きな影響を及ぼす可能性がある。 何が起こったのか? 欧州会計検査院と欧州委員会は、WLTPの試験結果が「現実世界」と大きく乖離していると指摘した。 欧州会計検査院と欧州委員会の発表によると、実際の走行環境で得られたデータから、ガソリン車、ディーゼル車、プラグインハイブリッド車(PHEV)の燃費およびCO2排出量が、実験室で算出されたWLTP数値から大きく乖離していることがわかったという。 2022年に登録された新車を対象とする試算では、WLTPの数値はガソリン車の燃費を23.7%、ディーゼル車の燃費を18.1%過大評価している。