医師や助産師が立ち会わない出産だと、「出生証明書」がもらえず、赤ちゃんの戸籍づくりに大きな負担がかかることがある。病院に間に合わず、救急隊員がへその緒を切ったケースでも、出生証明書を出すかどうかの判断は病院によって異なる。専門家は「母親らに過度な負担がかからないよう、柔軟に運用する必要がある」と指摘する。 「陣痛がひどくて死にそうです、助けて!」。 昨夏、妊娠相談や養子縁組仲介などを担う民間団体アクロスジャパン(東京)に、東京都内の20代女性から助けを求める電話が入った。女性は電話をつないだまま約30分後に自宅で出産し、同団体が呼んだ救急車の救急隊員にへその緒を切ってもらった。搬送先の都立大塚病院で胎盤を出す処置が行われた。 出生届を出す際に必要な「出生証明書」の発行を団体が求めると、大塚病院は「出産に立ち会っていない」として証明書を出さず、診断書のみ発行した。医師や助産師による出生証明書