ライブドアとフジテレビの攻防からわずか半年ほどで、今度は楽天がTBSの筆頭株主になり、TBSに経営統合を提案した。このニュースが流れたとき、わたしは民法テレビ局に勤務する中堅社員の男性から聞いた話を思い出した。ちょうどライブドア問題が決着して1か月ほど経った時期に開かれた懇親会の席だったので、参加者はビールを飲みながらこの話題で盛り上がっていた。 彼によれば、テレビ局の番組制作担当者の目からみると、ネット業界はなぜ自分たちでブロードバンドに適したコンテンツをつくらないのか不思議でならないのだという。というのは、かつてテレビも同じ立場に立たされた歴史があるからだ。 草創期のテレビ局は番組づくりに苦労し、映画界の協力を得ようとした。テレビで映画を流したい、テレビ番組に人気の高い映画スターが出演してほしい、と考えたわけだ。しかし、日本の映画界はあまり協力的ではなかったらしく、テレビ局は自分たちの