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<私たちには、昔ながらの方法で授かった2人の息子がいるが、彼らが青年期に近づくにつれて、家族にもう1人子どもが──赤ん坊よりも年上の女の子が──欲しいという思いに、私たちは取りつかれた。> これはデボラ・L・スパー著『ベビー・ビジネス 生命を売買する新市場の実態』(ランダムハウス講談社)の巻末に記された著者自身の言葉である。 2人の息子を持つ夫婦が、家族の安定のために、兄弟の姉となる女の子を養子としてもらおうと考える。こうした内容の発言を聞いて、その意味するところがすぐに飲み込める日本人はほとんどいないだろう。しかし米国においてはごく普通の発想であるらしく、実際にスパー夫妻はロシア生まれの女の子を養子として迎え入れる。 ★ ★ ★ ★ 「養子の輸入大国」とも称される米国の存在なくして、国際養子縁組は成り立たない。 この数年、米国では毎年2万3000件前後の国際養子縁
平和ボケよろしく、日本の景色や思い込みを基にアジアの他国も同じだろう(中国は例外にせよ)と推測することは、大いに認識を誤る結果をもたらす。 いま1つ、軍縮論議を長年仕切ってきた大西洋両岸の戦略家たちに、この際議論を委ねていては危ういということをも意味する。ロンドン、パリ、ブラッセル、フランクフルト、それからワシントンの人たちに任せて能事足れりとするわけにはいかない。 欧州正面でだけなら、この10年に起きたことは西側勢力の東漸(とうぜん)であり、北大西洋条約機構(NATO)の外延的拡大であって、その結果軍事的緊張は確かに激減した。 だがこの事実を他に類推されたのでは、アジアの力学は全く見えなくなる。この点は後でまた触れることにする。 別表は、アジアの主だった国々で、国防予算が過去10年のうち何倍になったかを示す。 現地通貨で見るのが肝心
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