日本の食文化を支えるカツオの一本釣りが危機にさらされている。中国の巻き網漁船が、黒潮に乗って日本近海に北上する前にインドネシア沖の太平洋中西部で、「ツナ缶」用に稚魚や小型カツオを根こそぎ乱獲。一本釣りで捕獲し、かつお節やカツオのたたきに使われる中大型魚が激減しているためだ。中国が年内に、1千トン超の最新鋭船を新たに12隻導入することも判明。漁業関係者の間では、早急な漁獲規制を求める声が強まっている。 「去年も記録的な不漁だったが、今年はそれよりも悪い…」 日本一の初ガツオの水揚げを誇る千葉県の勝浦漁港。3月から夏場にかけて一本釣り漁船が続々と入港してくる。漁船の給油や整備を行う回船鮮魚問屋「西川」の斎藤政宏社長はため息を漏らし、「中国の巻き網漁船の乱獲がこれ以上進むと、日本近海ではカツオが取れなくなる」と、危機感をあらわにした。 カツオの漁獲量の半分を占める太平洋中西部の海域では215隻の