繁殖のため飼育動物を動物園や水族館同士で無償で貸し借りする「ブリーディングローン(BL)」が全国で広がっている。世界的な取引規制で動物の確保が困難になる中、国内の希少動物の維持に貢献しており、レッサーパンダのように30年間で5倍に増えた動物も。だが、動物の高齢化や血統管理の問題で国内施設だけでは限界との見方も出ている。(井上裕貴) マンドリルの“異動” 先月16日、3歳のオスのマンドリル「ヨシツネ」がBLのため、京都市動物園から異動した。活発な性格で、好物のリンゴを食べたり一緒に暮らす家族とじゃれあったりする姿で来園者を楽しませていたが、今後は豊橋総合動植物公園(愛知県)で仲間と暮らし、子作りに励む予定だ。 マンドリルは国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧種に指定しているが、国内では活発にBLが行われ、近年ではほぼ毎年、赤ちゃんが誕生。今回のヨシツネのBLにも関係者は期待を寄せている。