ビオラ奏者の矢谷明子さん。イタリア・クレモナなどで寄付を受けたバイオリンやビオラで被災地を支援したいという=東京都国分寺市 【平山亜理】バイオリンの名器ストラディバリウスを生んだイタリアの街クレモナ。ここで活動するビオラ奏者の日本人女性が、東日本大震災の被災地で使ってもらおうと、バイオリンなど20丁の貸出先を募っている。街の製作学校からの寄付などで集めた。音楽を必要とする被災者に届けたい、と願っている。 ソロの室内楽奏者として活動する東京都国分寺市出身の矢谷(やたに)明子さん(39)。13年前から住むクレモナには、今も一流の製作者が工房を構える。矢谷さんは震災後まもなく、被災地で楽器を失った人が少なくないと知った。「ぽっかりと心にあいた穴を埋めるのは音楽だ」。この街で弦楽器を集めて届けたいと考えた。 チャリティーコンサートを開いて楽器の提供を呼びかけるとともに、クレモナにある「弦楽器