名古屋市交通局のバス運転手、山田明さん(当時37歳)=同市緑区=が07年6月にパワーハラスメントを示唆する文書を残して焼身自殺した問題で、山田さんが自殺を図る前日に市や警察から事情を聴かれた車内の転倒事故が、山田さんのバスで起きたものではなかった可能性が高いことが市の内部資料から分かった。遺族側は「自殺は冤罪(えんざい)による重度のストレスによるもので、公務災害は明らか」として1日、自殺を公務外と認定した地方公務員災害補償基金名古屋市支部決定の取り消しを求め、同支部審査会に審査請求した。【高木香奈】 内部資料は、事故があったとされる07年5月28日に山田さんが運転した路線バスの各停留所での▽発車時刻▽乗車人員▽降車人員▽通過人員を記録した「乗客調査表」。今年1月の同支部決定後、遺族側の情報公開請求に対して市が開示した。 市によると、被害者の女性は転んで顔や腰などを打ち、市に「滝子停留所で午