ナザルバエフ大統領=ロイター 【モスクワ=副島英樹】中央アジア随一の経済大国カザフスタンで、ソ連末期の1991年から国を率いてきたナザルバエフ大統領(70)の個人崇拝がさらに進みそうだ。来年の大統領選を中止して、大統領任期を2020年まで延ばす国民投票を実施する案を上院が今月6日、全会一致で可決したからだ。 この案は「国民主導」という形をとって出された。大統領はこの提案を即日拒否してみせたが、独裁を否定するポーズの可能性があり、結局は議会主導という体裁で国民投票を実現する可能性がある。 このため、インタファクス通信によると、大統領選に代わる国民投票の動きに、米国は「民主主義の後退だ」と懸念を表明した。 ナザルバエフ氏は、ソ連崩壊時の1991年に独立宣言したカザフスタンの初代大統領に就任。95年には、国民投票によって任期を2000年まで延長した。さらに07年、ナザルバエフ氏に限り大統