【ワシントン=望月洋嗣】チュニジア国外に脱出したベンアリ大統領一族のぜいたくぶりや腐敗を米外交官が把握していたことがわかった。米紙ニューヨーク・タイムズが16日、民間告発サイト「ウィキリークス」が公開した外交公電の内容として報じた。 「お前の物は私の物」と題された2008年6月の公電は、ベンアリ氏のおいがフランス人実業家からヨットを取りあげた事例を挙げ「ベンアリ一族は欲しい物はすべて手に入れる」と報告している。 09年7月の公電は、駐チュニジア米大使がベンアリ氏の娘婿宅であった晩餐(ばんさん)会で目撃した様子を詳述。娘婿は虎を飼っており、大使は、ライオンを飼っていたフセイン元イラク大統領の息子を思い出した。「一族がチュニジア人に嫌われる理由がはっきりした」としている。 米政府はこうした状況に懸念を深める一方で、ベンアリ政権のテロ対策の成功を評価し、正面から取りあげようとしなかったとい