若い人がお酒を飲まなくなったといわれますが、とはいえお酒のある時間は楽しいもの。気のおけない友人、あるいは仕事仲間と飲む席で、予想外のアイデアが生まれたり、思わぬビジネスチャンスを入手できたりもします。 ところで、「大人になったな」と実感できるお酒といえば、やはりウイスキーなのではないでしょうか? モルトの上品な香りや奥行きのある味わいは、「明日もがんばろう」という気持ちを高めてくれます。それに他のお酒と違って、ウイスキーには、どこか粋で洗練された印象もありますよね。 そんなことを改めて実感させてくれるのが、『ウイスキー粋人列伝』(矢島裕紀彦著、文春新書)。 多くの日本人が、移り変わる時代の中でウイスキーを飲んできた。本書には、その代表たる古今九十名の「粋人」の逸話を収めた。(中略)人物は基本的に生年順に配して紹介しているので、通読すると、日本の「ウイスキー受容史」を眺め直すことにもなるだ