保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也 現代の社会は、時間に厳しい。どんなことを手がける際にも、「時間が大切」という考えが人々の間に根強い。勉強でも仕事でも、「時は金なり」とか「光陰矢の如し」などと言われて、とにかくいますぐやりなさい、早く始めなさい、と急かされるのである。そういえば何年か前に、大手予備校の宣伝で「いつやるの? 今でしょ!」というフレーズが、テレビCMなどで拡がって流行語にもなった。 徳川家康の「鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス」といった時間をかけるやり方は、現代では、あまり受け入れられないのかもしれない。成功しようと思えば、急いで結果を出さなくてはならない。 ところで、せっかちに進められたものと、じっくり時間をかけたものでは、どちらが人間の心に強く残りやすいのだろうか。