しつこくアリスネタで申し訳ないのだけれど、大ヒット中の『アリス・イン・ワンダーランド』にちなんで、今日は「日本におけるアリス」について考察してみたいと思う。 そもそも日本で初めて、ルイス・キャロル作のアリスの物語が紹介されたのはいつなのだろう? 図書館で調べてみたところ、明治32年になぜか少年雑誌において、意外にも『不思議の国』ではなく、続編の『鏡の国』が訳されたのが初出のよう。 その後、明治43年に『愛ちゃんの夢物語』なるタイトルで、初めて一冊の本としてまとめられたらしい(この頃は、子どもたちがなじみやすいよう、アリスの名前も和名にされていたのだ)。 その後、大正14年には『お転婆アリスの夢』(成運堂書店)というタイトルの本が登場している。この版ではもちろん「アリス」は外国人の女の子の名前としてそのまま訳されているし、挿し絵も、金髪のロングヘアにリボンをつけたドレス姿。日本でも洋装が一般