下馬評を覆し、一時は2位に8ゲーム差をつけて独走しながら終盤に負けが込み、まさかのV逸に終わったヤクルト。優勝に手が届くところまでいきながら、大失速した原因は何だったのか? 一方で昨シーズン途中の就任以来、驚異的な勝率を誇った小川淳司監督(54)の「勝つ秘訣(ひけつ)」とは? 指揮官を支えるベテラン参謀、伊勢孝夫1軍総合コーチ(66)に聞いた。(聞き手・宮脇広久) --10年ぶりの優勝を目前で逃した 「わしも9月中旬に6ゲーム差をつけたときには、もうこのまま行くだろうと思った。あそこでひっくり返されてしまうということは…優勝する実力がなかったんだろうね」 --終盤に故障者が続出。宮本や石川、久古らの病気も原因では 「確かに、故障とか病気があったけれど、それも選手が実力以上、目いっぱい働いて疲労が蓄積した結果。体力不足ともいえる。優勝争いの経験のなさ、重圧、疲労といったものが、9月中