子どもに「お稽古ごと」をさせるのは、単に「好きなことをやらせたい」という心性にもとづくものか、それとも「眠っている才能があるかもしれない。機会を与えて開発し人生の選択肢をふやすのは親の責務」というような責任感からだろうか。あるいは「他のお家もやってるので」というはなはだ消極的な理由もあるのだろうか。 親の方に聞けばたぶん「いやあ、こいつがやってみたいっていうもんでね」と答える人が多いのでは。「オレはそんなに子どもに過大な期待はかけてないよ、負担は押しつけてないよ、軽いノリでさ、ほら、あくまで自発的なさ」という体裁を演出するに違いない。そして少なくとも自意識の中ではそうなっているのだろう。格差と貧困が話題になるなかで、子どもに何か資源を与えたいという気持ちの強まり、「お受験」の過熱があるにせよ、「教育ママ」みたいなのはまだまだ「みっともない」ことだとされているからだ。 だけど、やっぱりあるん