2012年12月30日18:55 カテゴリ 藤沢秀行、米長邦雄「勝負の極北」 藤沢秀行は泥酔すると何の脈絡もなく、「お××こ」を連呼する癖があったそうである。いや、これをはたして癖などと言っていいものか。 藤沢が米長のタイトル戦の応援に酔って行ったが、どうしても対局室に入れてもらえず、「お××こ」を大声で連発して、それが対局室の米長にも聞こえてきたとか。あるいは、藤沢が早朝にやはりゴキゲンな状態で米長宅を訪問し、大声でやはり「お××こ」を連呼した挙句に、「おいー、米長はいるかー」と上品な住宅街に響きわたる声で叫んだとか。 そういう、強烈なエピソードが次々に出てくる本である。 この藤沢と米長の対談本で、米長は基本的には聞き役である。あの米長でも一目置いて立てる藤沢という男は大したものだ。 従って、この本では藤沢のエピソードが次々に暴露されるが、言うまでもなく米長邦雄もその種のエピソードでは決