阪神、巨人との三つどもえから抜け出す「劇薬」になったのは9月18日、バレンティンの復帰だった。「劇薬」とあえて書くのは、チームの根本を揺るがす危険性をはらんでいたからだ。 5月に左太ももの手術を受け、米国でマイペースに調整してきた。再来日後は2軍戦2試合で6打数無安打3四球。打てないだけならともかく、守れないなら投手のリズムを崩し、走れないなら機動力を生かしてきた打線が分断される恐れがあった。チーム一丸の輪を乱すのではないか…。 復帰戦の試合前ミーティング。作戦担当コーチの三木が野手を、投手コーチの高津が投手を集めて、語りかけた。 「バレンティンはまだ100%じゃない。守備や走塁で『アイツじゃなければ…』というプレーが出てくるかもしれない。でも、優勝するために必要だから呼んだ。受け入れてほしい」 当たり前のことを当たり前にやる、という意識を徹底してきたチームでの特例。野手の輪の中で「何か言
![【真中ヤクルト優勝の裏側(下)】「劇薬」→「カンフル剤」に バレの復帰で混セ制圧](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/64b3f24f781983224e8cc269e4d9d3ed36e9274e/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.sanspo.com%2Fresizer%2F9PLosjQY01PIcX8UaCkeVnPMyGs%3D%2F1200x630%2Fsmart%2Ffilters%3Aquality%2850%29%2Fcloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com%2Fsankei%2FYNVGOQIO2NKARELAFN47CUKJJ4.jpg)