最近、「ない」をとにかく「無い」に変換してしまっている文章をよく見かける。「知らない」を「知ら無い」、「できない」を「でき無い」といった具合である。先日は「見ない」を「見無い」と書くのを見た。これらの「ない」はすべてひらがなで書くのが正しい。 漢字で「無い」と書ける「ない」は形容詞であり、存在を否定する意味を持つ。一方ひらがなでしか書け無い「ない」は助動詞で、動作や状態を否定する。「食べるものがない」(形容詞)は「食べるものが無い」と書けるが、「パンを食べない」(助動詞)を「パンを食べ無い」とは書け無い。 形容詞の「ない」は反対語に「ある」が来る。漢字で「無い」と表記できるか迷ったら、「ない」を「ある」に言い換えられるか試してみるとよい。「食べるものが無い」に対して「食べるものがある」とは言えるが、「パンを食べ無い」に対して「パンを食べある」とは言わ無い。 間違った「無い」を書いてしまう事