表向きは、「してしまったことは反省はしても、後悔はしない」ことをモットーにしていて、人にもそうするようにお薦めしたりしている。でも実際には、タイムマシンに乗れるのなら、昔に戻って失敗しかけている自分に「気をつけて」と声かけたいことがたくさんある。半世紀も生きていると。修復するのに何年もかかった大失敗もあるのだけれど、それらをやり直させて欲しいというのは、ずるいように思われるので、直したいのは、どっちかというと、ささやかだけれど、赤面するような場面。 たとえば幼稚園のころに、先生から女の子前に出ておいで、と言われたのを聞きちがえて、元気よく飛び出してしまったときのこと。そのころは僕の世界の半分くらいのシェアを占めていた先生からからかわれて、大泣きしてしまったのを鮮明に覚えている。先生がしまった、というような困った顔をしていたのまで覚えているから、その時としてはささやかではなくて、大ごとだった
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