米国へ向けて本格出荷が始まる天草産の完全養殖クロマグロ=24日、天草市本渡町広瀬 熊本県天草市の水産加工会社「ブリミー」(濱忠臣社長)は、クロマグロの完全養殖に成功し、米国向けに本格的に出荷を始めると発表した。クロマグロは世界的に漁獲規制が進む一方で、需要は伸びている。2年後には年間7千〜1万匹を輸出し、約10億円の売り上げを目指す。 クロマグロは音や光に敏感で、養殖いけすで育てるのは難しいとされる。近畿大学水産研究所(和歌山県白浜町)が2002年に世界初の完全養殖に成功。天然稚魚を捕獲して育てる養殖が多いのに対し、同社は近畿大が卵から育てた稚魚を仕入れ、07年から天草・牛深沖で養殖に取り組んできた。 40キロから50キロにまで育てることができ、昨年11月からは、ロサンゼルスなど米西海岸を中心に試験的に出荷してきた。来月にはニューヨークで試食会を開き、海外市場を中心に営業戦略を展開す