前回は、「ねじれ国会」という現象を巡る「ヤバい」議論について指摘した。今回のテーマは、会期延長が決まった本国会において、またメディアにおいて、今まさに白熱した(しかし、必ずしも建設的ではない)議論が交わされている「一票の格差」問題である。 一体、格差は何倍までならいいの? 投票価値の不平等を評価する上で裁判所やマスコミで使われる指標は、各選挙区の定数(選出する議員の数)を人口数で割った値の、最大値を最小値で割った比である。この「最大値÷最小値」がある一定値以上になると、問題視される。具体的には、衆議院では、昔の中選挙区制で3倍、今の小選挙区制で2倍を越えると、合憲性に黄信号が灯り始める。参議院については、最高裁判事によって、2倍、3倍、4倍、5倍、と様々だ。 日本では、この「最大値÷最小値」が許容範囲を超えると、数値を小さくするため「A増B減」と呼ばれる定数是正措置がなされてきた。中選挙区
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