ここは中国と北朝鮮の国境地帯だ。同僚のスーリン・ウォン記者との1週間に及ぶ取材旅行では、現地における極貧の日常生活から違法経済活動まで、これまで外国メディアが目撃していない場面を垣間見ることができた。 同じビルの屋上では、手をつないだ2人の観光客も女性たちを眺めていた。彼らは自撮り棒を取り出し、国境を背景に記念撮影をした。まもなく、あまりの寒さに観光をあきらめてしまったようだ。同僚記者と私は屋上に留まっていたが、やがてカメラを構える手がすっかり凍えてしまった。ようやく私たちも下に降りた。 あたりは、まもなく暗くなる。橋の向こうに見える明かりは、北朝鮮指導者たちの肖像を照らすライトだけだった。中国側の塔の下では、非常にリラックスした様子の国境警備兵が、ふざけながら互いをビデオカメラで撮影していた。橋を渡ってきた女性たちの跡を追うべきだったが、どちらに向かったのか分からなかった。私たちはその代
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