医師の手の中で、イブラヒムちゃんの頭はありえないほど小さく見える。医師は赤ちゃんのもろい体に気を使いながら、そっと抱きかかえる。周りにあるものは何もかも、ありえないほど大きく見える。 イブラヒムちゃんのおむつは、手に入る中でも一番小さいサイズのものだが、それでもまだ大きすぎる。げっそりとした顔の中で瞳は大きく、肋骨は肌のすぐ下にあるのが分かる。この子はまるで内へ内へと、どんどん縮んでいっているかのようだ。 このような状態にある子供を「幸運」と呼ぶのは、歪んでいるように思える。しかしイブラヒムちゃんは21日、生き続けてきた。医師たちは、このまま育つだろう期待しているのだ。双子の兄弟は、生まれて間もなく死亡した。