(ゆいっこ花巻;増子義久) 「メルヘン街道の創設こそが被災地の未来の姿…」―東日本大震災から1年4か月目の11日、震災時の奇跡的な救出劇がきっかけでオープンした交流産直「結海(ゆうみ)」(花巻市西宮野目)で岩手県立大学名誉教授、米地文夫氏による記念講演会が開かれた。ゆいっこ花巻の企画で、タイトルは「大槌-花巻-五城目を結ぶメルヘン街道の創設に向けて」。花巻市内に避難している被災者や花巻市民らが壊滅的な被害を受けた被災地の未来に思いをはせた。 米地教授がグリム兄弟にちなんだドイツのメルヘン街道にヒントを得て「イーハトヴ・メルヘン街道」を着想したのは震災直後。「岩手の地には宮沢賢治、佐々木喜善、井上ひさしという世界に冠たるメルヘン作家がいる。3人は終生『人間とはどうあるべきか』を追求した。3人の作品の中には復興の理念がびっしり詰まっている」と米地教授。佐々木は柳田國男に対して多くの民話を提供し