2011年07月13日18:48 カテゴリ本エネルギー エネルギー論争の盲点 首相が記者会見をして「脱・原発依存」の方針を打ち出したが、時期もわからない中身のない話だった。彼が宣言するまでもなく、日本で原発の新規建設は当分、無理であり、脱原発は進むだろう。問題はそれを何で埋めるのかということだ。 けさの朝日新聞は1面で「原発ゼロ社会」なるものを提言しているが、その中身はまた「原発か自然エネルギーか」という勧善懲悪のプロパガンダである。本書はこうした通俗的な話とは違い、エネルギー問題のプロが客観的データをもとに日本のエネルギー戦略を論じたものだ。 朝日新聞のいうように原発をゼロにしたら電力供給は3割減るが、再生可能エネルギーでそれを埋めることができるのだろうか? 著者も指摘するように、そんなのは何度も繰り返されたお伽話である。再生可能エネルギーのブームが始まったのは70年代の石油危機の後だが