→紀伊國屋書店で購入 3月10日のラサ騒乱以来、チベット問題ににわかに注目が集まるようになったが、1950年以来のチベット侵略以来、中国によるチベット民族の絶滅政策は60年近くにわたってつづいている。日本の人権団体は社会主義国の人権問題にはふれようとしないので知られていないが、欧米では関心が高く、すぐれた本が多数出版されている。同じアジアの国なのに、チベット問題をとりあげた日本人の著作はすくない。残念ながら、本書も翻訳である。 本書の邦題は『中国はいかにチベットを侵略したか』となっているが、「チベット武装抵抗史」というべき内容の本である。ダライ・ラマは一貫して非暴力による抵抗を説いてきたが、チベットの抵抗勢力のすべてがダライ・ラマのコントロール下にあるわけではなく、最初の25年間は組織的な武装闘争をおこなったグループが存在したのである。しかし、1971年の米中国交樹立によってアメリカの武器
![文芸評論家・加藤弘一の書評ブログ : 『中国はいかにチベットを侵略したか』 マイケル・ダナム (講談社インターナショナル)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/35d62c310a47e914dc112a03228a7c0d8f0729f8/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2FK%2FKinokuniya%2F20180502%2F20180502194504.jpg)