国境警備隊の中には上半身裸で乾布摩擦をしている兵士の姿も。近くにいる女性兵士も顔でも洗ったのか、タオルを肩から下げたり、手に持ったり。緊張感は感じられない 食糧危機とエネルギー欠乏に加え、治安機関による強力な監視。北朝鮮の一般人民は萎縮(いしゆく)して生活している様子が容易に想像できるが、中国との国境を流れる鴨緑江(アムノッカン)上流域には、中朝の“秘密”貿易などで潤い、比較的恵まれた暮らしがあるという。今年3月末から4月初旬にかけ、山梨学院大学の宮塚利雄教授夫妻は、この地域の実態を探ろうと中国側の「臨江」から「長白」までを車で調査。対岸の北朝鮮側の写真撮影に成功した。レンズがとらえた中朝国境の現実とは…。 「中朝国境は、麻薬、覚醒(かくせい)剤などの禁制品の密輸で潤う地域」(公安関係者)とされる。宮塚教授は、まさにその現場を目撃した。 川が複雑に蛇行し、国境が入り組んだ中国側の岸から川幅