清水幾太郎『論文の書き方』岩波新書 久しぶりに、この新書を読み直しました。奥付を見ますと、昭和39年3月10日 第12刷発行とあります。西暦で1964年ですか。全体は長年の年月を感じさせ、紙は少しザラつき、妙にしなやかでした。背も黄ばんではいますが、懐かしい新書です。 学生時代、新刊は買えませんでしたので、古本で購入しました。当時、論文を書く場合のハウツウ本 (といっていいのかどうか)があまりなく、多くの人がこの本を読んでいたと思います。 読み始めると、どんどん付箋が付き、新書にしては多すぎるくらいとなってしまいました。読んでいて、言葉、文章、論文について考えさせられるところ大でした。 清水さんがこの新書の目的を次のように書いています。 「本書の場合は、主として小学者の小論文を問題にする。即ち、大学の卒業論文やリポート、また、組合を初めとする各種の団体や運動の中で必要になる論文や報告、これ