待ち望まれた本だ。私の勝手な定義では、現行の法律の条文解釈なんかについてうんじゃらかんじゃらやるのを「法律学」、社会における法規範のあり方なんかを考えるのを「法学」と区分しているが(本当はどうだか知らない)、この区分によればこの本は「法学」の本。HotWired Japanの人気連載を書籍化、といえばまあ簡単だし、実際それっぽい文体だったりするわけだが、紙媒体にきちんとまとまることの価値はやはり大きい。 それほど長い本でもないから(でも中身は濃いからけっこう時間はかかる)実物をぜひお読みいただきたいわけだが、この本の主張をひとことでまとめれば、前書きに書いておられるこれだ。 情報時代においては、知的財のさまざまな形態での利用を禁じることはよろしくない。むしろ最も適切な媒体を利用しつつ自由な形態で提供することで、利用者の便宜を図るべきであると。 ああよくあるコピーレフトか、と斬って捨てる向き