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ブックマーク / ttchopper.blog.ocn.ne.jp (9)

  • リヴァイアさん、日々のわざ: 基礎から学ぶ楽しい疫学

    「エピデミック」を書く前から、疫学、疫学言っている川端ですが、評判のよいこのを、ずっと読まずに済ませてました。 ゴメン! これは大変な良書です。 なにはともあれ、看板に偽りなく、楽しい! 特に脚注が(笑)。 脚注だけを読むという、変態読者を有無ほどに楽しい脚注というのは、ちょっと規格外。 その上で…… 非常に体系だった議論が展開されるので、とても安心して、流れに身を任せ、しっかり知識が身につく、というのは希有な書籍ですね。 たとえば、疫学の研究デザインについて、それぞれの射程、メリット、デメリットなどをしっかり述べてくれるわけですよ。 日ではコホート研究こそ、疫学の王道で、症例対照研究は劣ると考えている人は多いが、それは間違えだ。研究デザインには長所短所があり、コホートでしかできないこともあれば、症例対照研究でしかできないこともある、というくだりは、感涙モノ。 ほんと専門家だって、そ

    RanTairyu
    RanTairyu 2011/05/01
  • リヴァイアさん、日々のわざ: Rboardについて語ってみる(指ならしも兼ねて)

    今、富士通のKB232というUSBキーボードで親指シフト環境を構築したところ。これまで20年かそこら使ってきたRboardの系譜にとうとうサヨナラするときがきたわけで、新環境の指ならしも兼ねて、「わたしとRboard」というテーマで書いてみる。 出会いは……たぶん、大学生のときだ。 はじめて小説を書いた時、ローマ字入力が嫌で仮名入力してみた。でも、タッチタイプができない。 そこで、ちまたで噂の親指シフトキーボードを買って来た。 当時使っていたのは、エプソン系のPC98互換機で、それに直接さすとすぐに使えた。 ワープロソフトは、たぶんまだ「松」だったかも。「太郎」が出るのはもっと後。あるいはVZエディタをもう使っていたかもしれない。記憶の彼方で定かではない。 1991年頃、Macに出会った。 II ciという機種で、68030 25MHz、対応OS 漢字Talk6.0というしろもの

    RanTairyu
    RanTairyu 2009/03/10
  • リヴァイアさん、日々のわざ: 民主主義と科学

    偶然目について手に取った。 理学部地学科に学び、新聞の科学記者、科学雑誌編集者を経て、定年前に退職東大の科学史の院に入った著者の博士論文なのだけれど、これがまたぼくにとってはツボにはまった内容だった。 太平洋戦争が終わると、日では占領軍の「上からの民主化」と呼応するように、民主的な社会の実現を求めるさまざまな運動が起きた。地質学会にも「地学の団体研究」と「学会の民主化」を掲げて地学団体研究会(地団研)が誕生した。 冒頭でいきなり示されるこのフレーズが、「なにか」を予感される。 地団研と呼ばれる、そもそもは、地質学の民主化をめざした団体が、「学会+運動体」の性質をともに帯び、プレートテクトニクス理論が国際的には常識となった後も、10年近く受容を拒み続けた経緯がつぶさいに追跡される。 背景には、認識論的な違い(イデオロギー)があったり、「有力会員の言うとこには反対できない雰囲気・体質」

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    RanTairyu 2008/12/05
  • リヴァイアさん、日々のわざ: クリティカルシンキングのススメ……「ゲーム・脳」言説と喫煙をめぐって

    アマゾン様からメールが届き、「読め」という。 おまけに皮肉なことに、: 『犯罪不安社会 誰もが「不審者」?』を買った人にお勧めだそうだ。 でも、クリカルシンキングの題材としてはこの上ないだろう。 「思いやりの原理」を適用して読むべし。さすれば、地平の融合に至ることができるだろうか。

    RanTairyu
    RanTairyu 2007/05/25
  • リヴァイアさん、日々のわざ: 日本はなぜ世界で一番クジラを殺すのか

    前書きを読んだだけで、すごいだというのは分かるし、今、目の前にとんでもない厚さの資料やらやらがあって、それを読んだ後でないと取りかかれないのも目に見えているので、紹介。 すごいです。 捕鯨対反捕鯨の枠組みを変えてくれるし、反捕鯨の代表と思われているグリーンピースのイメージも変わるだろう。なにしろ、「グリーンピースは捕鯨を卒業すべし」と、グリーンピース・ジャパンの現事務局長が言ってしまうのだ。 以前、ぼくはグリーンピースジャパンで、各国の海洋生態系問題担当(つまり、捕鯨問題担当でもある)を前にして講演をしことがあって、それを強烈に思い出した。 その時、何を話したか、論理構成やら、枝葉末節やら、つまり、あらかた忘れてしまったのだけれど、伝えたかったコアなことは、「もしも日に捕鯨をやめさせたいなら、頭ごなしな日批判はむしろ逆効果だ。グリーンピースが特に初期のキャンペーンで植え付けた、日

  • リヴァイアさん、日々のわざ: これは必読文献かも。『犯罪不安社会 誰もが「不審者」?』

    安全神話が崩壊したといういうけれど、それって当? 実は、「安全神話が崩壊した」神話なんじゃないの? という。 ぼくの関心でいえば、PTAでの安全・安心対策に一石を投じるもので、そのことについては三章にくわしい。 あまりにツポにはまったので章ごとに書いていくことにする。 まずは第一章で、統計をみる。 犯罪統計の殺人も、人口動態調査の「他殺」も、長期的になだらかに低下。こと、「他人によって命を奪われる」リスクは、きわめて低い社会に我々は住んでいる。 じゃあ、なぜ、そんなに「安全神話の崩壊」したように見えるかというと、犯罪の増加(実は認知件数の増加)と、検挙率の低下、だという。 実はこれは警察の方針と密接に関係していて、99年の桶川ストーカー事件をきっかけに、これまで「認知」していなかった「軽微」な事件でも、きちんと事件として受け取るように指示した、警察庁長官の通達が効いているという

  • リヴァイアさん、日々のわざ: トンデモな人やコト

    ITmedia News:「ネット・ゲーム中毒を精神障害に分類」——米学会が推奨 このニュースは納得できるわけですね。ゲーム脳の議論とは根的に違う。ゲームが持つ嗜癖性ってのは、やはりあるだろうし、それを節度ある立場からコントロールするのは必要だと思うので。 実際ぼく自身、ゲームやらないのは、やめられなくなるからだし、子どもにもあんまりやらせないのは同じ理由。先日、平日のゲームは一度だけで(五日間のうちの)で一時間までってルールを、息子が破ったので、今、取り上げ中だったりもする。

    RanTairyu
    RanTairyu 2006/11/18
  • リヴァイアさん、日々のわざ: 日本政府は「言葉」をうまく使いこなす

    Health treaty dilution: a case study of Japan's influence on the language of the WHO Framework Convention on Tobacco Control -- Assunta and Chapman 60 (9): 751 -- Journal of Epidemiology and Community Health. こういう論文がある。Journal of Epidemiology and Community Healthに掲載されたもので、たばこ枠組み条約(FCTC)が成立する際、日政府がいかに上手に条約を「弱めた」か検証している。 著者らは、サマリー・リポート、文書での提言、会議での提出書類、スピーチなど、ぜんぶで六回行われたFCTCの準備会合での日政府の発言をチェック(ぜんぶで9

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    RanTairyu 2006/08/29
  • リヴァイアさん、日々のわざ: 「99.9パーセントは仮説」について

    新書レビューです。 「99.9パーセントは仮説」(竹内薫)と「全地球凍結」(川上伸一)は、まったく違ったテイストの科学なのだけれど、続けて読んで妙に味わいがあった。 まず「99.9パーセントは仮説」。これは実は看板に偽りのある。内容に忠実に沿えば「100パーセント仮説」とか、「たしかなものは何もない」といったタイトルになるべき。 実際に「科学はぜんぶ『仮説にすぎない』」(33ページ)をはじめ、類似の表現がたくさんされていて、つまり、一般には「正しいことを述べている」と思われがちな、科学を相対化する言説に満ちている。 科学的理論が、仮説であるということ自体、むしろ当たり前であって、それを必ず「仮説である」と認識するところが科学のキモだと、ぼくは感じているのだが(たとえば、宗教はみずからの主張を仮説とは言わない)、どうも世の中には「科学は正しい」という信仰があるらしく、それに対して「

    RanTairyu
    RanTairyu 2006/05/25
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