石油関連の問題をジャーナリスティックにまとめた本で、この分野の専門家による書籍ではない。この分野への関心と多少の基礎知識がないと退屈にも思える歴史の話もたらたらと続く。が、ここは考えようで、歴史好きにはこたえられない面白さがある。例えば、ドイツはなぜロシア侵攻したのか。石油を求めてというあたりは、他の地政学的な背景からそうかもしれないと思わせるものがある。 本書全体の結論は、単純に言えば石油枯渇論であり、よって、つまり、トンデモ本である。石油枯渇論については、以前、「極東ブログ: 原油高騰の背後にある石油枯渇の与太話」(参照)でも扱った。ただ、では、笑ってポイのトンデモ本かというと、なかなかそう言えないディテールがあり、石油問題に関心のある人、というか、現在の国際政治に関係にある人はさっと読んで「そんなのはすでにご存じ、くだらね」というチェックにすればいいだろうと思う。が存外にそうでもない