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  • 極東ブログ・メールマガジン 試作品 No.3 (2012.5.9): 極東ブログ

    とりあえず、前回と同じ方針で試作。この形式で続けていくかは未定。 実は、一昨日できていたのだけど、最新情報の変化があるかと気になって遅れた。予想外のことはあまりなかった。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 極東ブログ・メールマガジン 試作品 No.3 (2012.5.9) _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 目次 [フランス] オランド新大統領の財政緩和策は失敗する [ギリシャ] ギリシャの混乱は小休止しEUには緩和な危機が続く [イスラエル] イスラエルはオバマ再選を織り込んだ [ベネズエラ] チャベス大統領死去には政変の可能性 [アフガニスタン] アフガニスタン戦争敗戦に向けてアヘン利権が問

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    RanTairyu 2012/05/09
  • [書評]不可知の雲(The Cloud of unknowing): 極東ブログ

    「不可知の雲(The Cloud of unknowing)」は、14世紀末中世の英国で書かれた瞑想のガイドブックあるいは指導書である。かなり割り切って言えば、瞑想のハウツーである。 なんのための瞑想か。神を知り、原罪の苦しみを軽減するいうことだが、現代人にとって精神的に得るところ部分だけ取り上げれば、つらい気持ち、、怒りといった心に安らぎをもたらすことである。その点では、禅やその他の宗教の瞑想とそれほど変わらないとも言えるだろうし、道元の禅によく似ているとも思った。 当然、なんともスピリチュアルなであるし、実際にキリスト教神秘主義の有名な著作でもある。作者の名前は伝わっていない。匿名ということだが、これは謙遜として名を残さなかったということなのだろう。 このを読むきっかけは偶然だった。先日、スワミ・ラマの自伝(参照)を読んで、近代インドにおけるキリスト教神秘主義を知り、その関連の

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    RanTairyu 2012/05/06
  • アフマディネジャド大統領のアブムサ島訪問について: 極東ブログ

    イランのアフマディネジャド大統領がアブムサ島を訪問した。この件について、ざっと調べた程度ではあるが、毎日新聞を除いて日ではほとんど報道がなかったようだった。しかし、現在の中東問題の大きな構図を考えていく上で重要な問題を含んでいると思えるのでブログで拾っておきたい。 例外的とも言える毎日新聞記事だが、22日付けの「ペルシャ湾:3島の領有権巡り イランと湾岸諸国対立」(参照)である。冒頭は以下のとおり、簡素にまとめられていて読みやすい。 【テヘラン鵜塚健】ペルシャ湾に浮かぶアブムサ島、大トンブ島、小トンブ島の3島の領有権を巡り、イランと湾岸諸国との対立が過熱している。イランのアフマディネジャド大統領が今月11日にアブムサ島を訪問したことに、領有権を主張するアラブ首長国連邦(UAE)が強く反発。サウジアラビアなど6カ国で作る湾岸協力会議(GCC)がUAEに加勢してイランを非難し、地域の新たな火

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    RanTairyu 2012/04/25
  • [書評]禁じられた福音書 ― ナグ・ハマディ文書の解明(エレーヌ・ペイゲルス): 極東ブログ

    聖書には含まれていないイエス・キリストの教えが存在するとしたら、どう思うだろうか。キリスト教徒なら「そんなのは悪い冗談でしょ。聖書は聖霊の導きで書かれているのです」と答えるかもしれない。だが、聖書に含まれている、イエス・キリストの生涯を記す4つの福音書(マルコ、マタイ、ルカ、ヨハネ)以外に、当のイエス・キリストが語った言葉を収録する別の福音書がかつて存在し、そしてそれが今の聖書に収録されている四福音書よりも真実を伝えるとしたら、どうだろうか? いや、何をもって「真実」だというのかという議論にもなるかもしれない。書、「禁じられた福音書 ― ナグ・ハマディ文書の解明」(参照)は、その問題を質的に扱っている。 訳の表題「禁じられた福音書 ― ナグ・ハマディ文書の解明」は日人に向けてよく練られている。確かに書では、現在のキリスト教からは禁じられた、異端の福音書が議論されている。キリスト

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    RanTairyu 2012/04/07
  • 沖縄海兵隊メモ: 極東ブログ

    今週の日版ニューズウィーク(4.4)の表紙に大きく「普天間と日」とあり、沖縄の基地問題を扱っていた。その下には「海兵隊をめぐる勘違い」とある。沖縄の基地問題というより、在沖海兵隊についての話題が基である。私にとっては目新しい知見はなかったが、確認としてブログにメモしておいてもよいように思われた。 記事はジャーナリストのカーク・スピッツアー(Kirk Spitzer)氏によるもで、英語のタイトルは「Time to Pack up?」となっていた。私の記憶ではこの記事を英語版のNewsweekで読んだことはない。ざっと検索しても見当たらない。むしろ基的な主張と取材は、今年1月同氏がTimeに寄稿した「Marines on Okinawa: Time to Leave?」(参照)と同じなので、日版の編集者が「Time誌のこのネタで行こう!」とやってしまったような印象がある。 最初にこの

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    RanTairyu 2012/03/31
  • [書評]Living With the Himalayan Masters: ヒマラヤの師匠と暮らした日々(Swami Rama: スワミ・ラマ): 極東ブログ

    [書評]Living With the Himalayan Masters: ヒマラヤの師匠と暮らした日々(Swami Rama: スワミ・ラマ) 米国では有名なヨガ行者スワミ・ラマ(Swami Rama)だが、あまり関心を持ってこなかった。ビートルズやミア・ファロー、カート・ヴォネガットの先などがかぶれたTM(超越瞑想)のマハリシ・マヘーシュ(Maharishi Mahesh)や、あのヘンテコ衣装とかでもオウム真理教に影響を与えたかに見えるバグワン・シュリ・ラジニーシのような類型ではないかと私は思い込んでいたのだった。ニューエージ思想に関連したインド思想は敬遠していた。 反面、ラーマ・クリシュナ(Ramakrishna Paramhansa)やラマナ・マハルシ(Ramana Maharshi)、スワミ・ヴィヴェーカーナンダ(Swami Vivekananda)、オーロビンド・ゴーシュ(

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    RanTairyu 2012/03/10
  • [書評]超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか(リチャード・ワイズマン): 極東ブログ

    「超常現象」という言葉を聞いただけで眉をしかめ、身を引く人もいるだろう。占い、幽霊、超能力者、念力、体外離脱、霊媒……ちょっとご勘弁な話題である。なぜなら、そんなものは存在しないからだ。 書「超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか」(参照)の著者リチャード・ワイズマンもそういう一人だった。彼はずっとこう考えていた――超常現象はパーティの話題としては受け取るが事実無根――と。ではなぜ彼が超常現象をテーマにしたを書いたのか。科学的世界観を普及させたかったのか。偽科学批判をしたかったのか。必ずしもそうではない。 ふとしたきっかけで彼は、超常現象が存在するかを調べるより、人がなぜこうした不思議な体験をするのか、その心理的な理由が知りたい、と考えるようになった。それは脳の問題なのではないか。 超常現象が存在するかどうかという科学議論については「超常現象を科学にした男――J.B.ラインの挑戦」(

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    RanTairyu 2012/02/13
  • [書評]ベンジャミン・バトン 数奇な人生(F・スコット・フィッツジェラルド): 極東ブログ

    映画の「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」を見たので、ついでに原作も読んでみた。原文は著作権が切れてネットに転がっているが、邦訳が読みやすいので探した。角川文庫(参照)とイースト・プレスの(参照)があった。さては「夜はやさし」(参照)のように角川版の訳が古いのだろうなと思ったが、双方、映画をきっかけに訳出されたようだ。では文庫でと角川ので読んだ。短編である。文庫のページにして50ページ。翻訳で読むにはさして難しいところもない。 原作は映画とは随分違っていた。これが原作とも言いづらい、というくらいに違うと言ってよいのではないか。似ているといえば単に、老人として生まれて人生を過ごすにつれ次第に若返り、最後赤ん坊として死ぬという原作の着想くらいか。それを映像的に表現したくて映画が別途できましたという印象もある。 ただよく読むと、奇想の設定だけではなく、恋愛結婚の相手との年齢の、しだいに広がりゆ

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    RanTairyu 2012/02/01
  • エジプト軍部クーデターの失敗と「民主化」という責任回避: 極東ブログ

    大衆活動で陽動し革命を装ったエジプト軍部クーデターから1年、当初の軍部の思惑どおりには民主化の偽装が進まず、ムバラク元大統領の位置に座り込んだ軍最高評議会の実態(参照)も露呈し、反政府デモが続いている。NHK「エジプト 反政府デモ開始1年で」(参照)より。 エジプトでは、去年1月、若者のグループによるインターネット上での呼びかけによって民主化を求める反政府デモが始まり、30年近くにわたったムバラク政権が、僅か18日間で退陣に追い込まれました。民主化運動が始まって1年となる25日、若者たちは再び国を暫定的に統治している軍に抗議するよう呼びかけ、全国の主要な都市で大規模なデモが始まりました。 このうち、首都カイロのタハリール広場では、午前中から数万人が集まり、軍の統治はムバラク政権時代と何も変わっていないとして、即座に権限を手放すよう求めました。参加者からは、「軍は民主化を求める国民の声を聞か

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    RanTairyu 2012/01/26
  • [書評]円高の正体(安達誠司): 極東ブログ

    はなぜ円高なのか。ずっと円高基調が続いているので疑問に思わなかったり、欧米での金融危機との関連で考える人もいるだろう。だが、円高のもっとも基的な要因は何か、またそれがどういう意味を持つのかと考えるなら、書「円高の正体」(参照)の解説がわかりやすい。 なにより重要なことは、日の円高という現象がデフレの別相であることも明らかにしている点だ。その意味では書の書名は「デフレの正体」と言ってもよいだろう。その書名をもって広く読まれた別の書籍の主張(人口減少によるとする主張)が間違っていることも示されている。 書は円高の仕組みを解説するだけに留まらず、日にとって「良い円高」なるものが存在しないということを詳しく説明した後、円高の別相であるデフレの解消のための金融緩和政策に日銀行が強く志向することも求めている。 その点では、書はいわゆるリフレ派と呼ばれる立場の主張を、新書の形式で手短

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    RanTairyu 2012/01/22
  • [書評]孤独のグルメ【新装版】(久住昌之・著、谷口ジロー・画 ): 極東ブログ

    中年男の孤を描いた漫画「孤独のグルメ」(参照)が電子ブックで売っていた。電子ブックでこの漫画を読むとどうなんだろうかという素朴な興味と、通して読んだことはなかったなという思いがあって、買って読んだ。泣けたというのとは違う、胸にずんとくる感慨があった。中年男の孤というものの、いわくいいがたい微妙な心情をよく描いていることもだが、私自身生きてそしてってきたあの時代が絵の一コマ一コマにそのままにあったのだった。 物語は、個人経営の洋雑貨輸入商・井之頭五郎が、背広姿で見知らぬ町を巡った営業帰りに、いそびれた昼飯をその町の店屋でうというだけの設定が多い。表題にグルメとあるが、普通の意味でグルメといったものではない。下町のさびれた定屋のようなところで、中年男が、がつがつとありふれた事をするだけの短い話。B級グルメといったものでもない。うのは腹がいっぱいになればいいやといったくらい。 だ

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    RanTairyu 2012/01/13
  • [書評]タイランド(村上春樹): 極東ブログ

    村上春樹の短編小説「タイランド」は、「蜂蜜パイ」と同じく2000年に出版された「神の子どもたちはみな踊る」(参照)に収録されている作品で、先日「蜂蜜パイ」を読み返したあと気になって読み返した。 私はこの短編「タイランド」が村上春樹の短編の最高傑作ではないかと思っていた。技巧的にも、その文学的な深みにおいても……。しかし時を置いて再読してみると、意外に文章は拙なく技巧も熟れていない印象が強く残った。が、依然好きな作品であり、強い印象をもつ作品であるし、再読して新しく心に残る部分もある。エントリを起こして書く意味があるのかよくわからないが、自分の関心にそって書いてみたい気がする。 短編小説「タイランド」は、いわゆる世間に流布されている村上春樹のイメージからすると異色な作品と言えるだろう。主人公は五十歳過ぎの女性に設定に設定されていることや、タイという異郷に設定されていることといった表面的な指標

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    RanTairyu 2012/01/08
  • ボードゲーム「カタンの開拓者たち」日本語スタンダード版: 極東ブログ

    でも、それなりにプレーしやすい日語のリニュー版「カタンの開拓者たち(日語スタンダード版)」(参照)が出たのは昨年4月末だった。いやはや、待ちましたよ。 率直に言うけど、製品がどういうものか了解している人なら、「カタンの開拓者 携帯キャリーケース版」(参照)や「ポータブル カタン」(参照)でもいいが、初めて「カタンの開拓者たち」をするというなら、この日語スタンダード版がよいのではないか。それなりにゲームボードも厚く広いし、駒もカードもそれなりに使える。むしろ今の自分としては、別の言葉でもいいからもっと上等な作りのがほしい。 「カタンの開拓者たち」はボードゲームの世界に革命的な変化をもたらしたともいえるほどの定番ボードゲームで、1995年にドイツの「年間ゲーム大賞」と「ドイツゲーム大賞」を受賞している。現代古典とも言えるボードゲームだし、現在でも当然、面白い。時間はプレーヤーが強くなるに

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    RanTairyu 2012/01/03
  • [書評]心から愛するただひとりの人(ローラ・リップマン): 極東ブログ

    ローラ・リップマンの短編集「心から愛するただひとりの人」(参照)には、17編もの小編が四部構成で収録されている。ハヤカワ・ミステリ文庫であることからわかるように作品はどれも分類上は推理小説と言ってよく、大半の作品には犯罪や謎解き、探偵といった要素もある。だがミステリーを堪能するには短く、またそうした要素にあまり力点は置かれていない。読後の印象としては純文学に近い。 作品の随所に軽快なユーモアと絶妙な悪意の笑いが満ちていて、読書を堪能させる。 作者リップマンの文章技量にも圧倒される。大半を訳している吉澤康子の文章も読みやすい。だが、小編を次から次へと読み進めることはできない。一編ごとに心の奥に響く。「愛とはなんだろうか」という照れくさい問題について、さらに気の重い、具体的な女性という存在感から、じりじりと再考が迫られる。現代中年女性の、現代中年女性による、現代中年女性のための作品群とでも言い

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    RanTairyu 2011/12/30
  • 豪州米海兵隊駐留計画について: 極東ブログ

    16日、訪豪のオバマ米大統領は、豪州北部ダーウィンへの米海兵隊駐留計画を発表した。2012年半ばからは200人から250人の海兵隊員が同地に半年交代で駐留し、豪州軍と共同訓練や演習を行うことになる予定だ。駐留規模は最終的に2500人にまで強化される。 発表の背景として日では、軍拡でこの地域に脅威を与えている中国に対抗する意味合いがあるといった報道がなされた。NHKの7時のニュースですら、中国が現在増強している対艦弾道ミサイル(参照)の射程外に米軍を分散展開する目的があるとして、図を使って説明していた。間違いではないが、中国はかつてのソ連のような冷戦的な対立を強く意図しているわけではなく、構図はやや異なるかもしれない。 中国の軍拡に伴う脅威が東アジア諸国に迫り、中国を交えた領海や領土の問題も頻繁に引き起こされる時代になってきたのは確かだが、中国は基的には、東アジアへの領土拡張の意図を強固

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    RanTairyu 2011/11/25
  • [書評]いまを生きるための思想キーワード(仲正昌樹): 極東ブログ

    表題からわかるように、この小冊子(講談社新書)は、現代思想のキーワードに解説を加えたものであり、帯に「高校生もわかる『思想』入門」ともあるように、思想についてわかりやすく解説することを狙っている。 実際にわかりやすいかというと、仲正昌樹氏の他の書籍でもそうだが不用意な難解さはないという点ではわかりやすい。 が、おそらく高校生が読んですっきりわかるというものでもないだろう。むしろ高校生が読んでわかるのは、現代思想が何を課題にしているか、という問題意識だろう。そのことが結果として、ただの気分やファッションで現代思想を語る愚かさを除くというメリットはある。 書はいくつかのキーワードを解説するという形式になっているから、何がキーワードなのかということが重要になる。具体的にはキーワードは次の21個に過ぎない。 正義 善 承認 労働 所有 共感 責任 自由意志 自己決定/自己責任 「心の問題」 ケア

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    RanTairyu 2011/11/22
  • [書評]ブロードウェイ 夢と戦いの日々(高良結香): 極東ブログ

    高良結香さんの「ブロードウェイ 夢と戦いの日々」(参照)は2008年の出版。現在でも版を重ねたふうはないがどうだろうか。まだ絶版にはなっていないが版元がランダムハウスということもあって文庫化されるかはよくわからない。一つの時代の記録としても、また若い人に読み継がれるとよい、元気の出る書籍である。さらに米国のショービズの内側を日人の目から描いたという点でも貴重な資料である。 話は、歌手でもあり俳優でもあり、なによりダンサーとしての高良結香さんの、幼児期からブロードウェイのミュージカル「コーラスライン」の舞台に立つあたりまでのサクセスストリーでもあるが、表題に「夢と戦いの日々」とあるように、絶えざる克己を必要とするプロセスも内面から描かれている。同時に彼女と同じように、ブロードウェイのミュージカルに立とうとする各国の若者群像も描いている。おそらくそこには、書には描ききれなかった情熱の物語も

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    RanTairyu 2011/11/21
  • [書評]真鶴(川上弘美): 極東ブログ

    主人公の京(けい)は、明確に年齢は書かれていないが、46歳の女性。中学3年生の娘がある。結婚したのは20代の終わりだろう。夫の礼(レイ)は2つ年上。12年前に突然、失踪した。娘にはだから父の思い出はない。なぜ夫は失踪したのか。「真鶴」(参照)というこの物語が後半にさしかかるまで、主人公の京も理由がわからないとしている。多少ミステリーの仕立てにもなっている。 どこに失踪したのかもわからないが、礼の残したそっけない記述の日記には、失踪の暗示とも取れる「真鶴」と「9:00」という謎の言葉が残され、京は12年後に、神奈川の真鶴に小旅行する。冒頭はそのシーンから始まるのだが、その旅で彼女をつけてくる者がある。霊というか、あるいは京の幻覚か。そのいずれでもよい。 物語は主人公・京の統合失調症的な幻想描写を交えながら展開されるが、それは精神病理ではない。あくまで文学のたくらみとしての設定であり、いわば人

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    RanTairyu 2011/11/19
  • 現代版・竹島物語: 極東ブログ

    竹島の住所はというと、島根県隠岐郡隠岐の島町に属するが官有無番地。島根県松江市から北約70kmの隠岐の島町からさらに北西に約157km離れた、北緯37度15分、東経131度52分の岩礁である。人も住まぬと言いたいところだが韓国人が住んでいるらしい。 韓国にしてみるとこの岩礁は韓国の領土だというのだ。大韓民国の住所もあり、慶尚北道陵郡陵邑獨島里となるらしい。 ようするに日韓国がその領土を争っている地域である。他国から見れば、それだけなら、よくある領土紛争だが、日韓以外の第三者から見ても、そうとも言い切れないものが出てきた。今年の動向から見ていこう。 6月16日のこと、大韓航空が翌日からのソウル・成田便に欧州エアバス社の「エアバス380」を投入するにあたり、メディア向けのデモンストレーション飛行を実施したのだが、その飛行ルートはというと、仁川空港から日海方面に飛び、わざわざ竹島上空を

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    RanTairyu 2011/11/05
  • [書評]信長協奏曲(石井あゆみ): 極東ブログ

    釣り文句の「ごくごく普通の今どき高校生サブロー。そんなサブローがひょんなことから飛ばされたのは、なんと戦国時代! そう、彼はタイムスリップしてしまったのである」を読んで後悔した。 が、この程度の後悔、我が人生の後悔の峻峰に添えても微々たるものよ。ところが、はずれた。面白いのである。めったくそ面白い。というわけで、出ているだけ、5巻まで買って読んだ。大人はいいぞ。 はっきり言ってタイムスリップの小細工は、狂言回しであって、良くも悪くもない。道三や弾正に充ててくるのも、まあどうでもよい。漫画漫画。面白いのは、プロット(筋立て)とキャラとディテールである。 キャラで、これはすごいなというのは、秀吉である。秀吉ってこういうやつだったんだろうなという疑念があったのだが、それがするするほどけて快感になってくる。浅井攻めの際の殿軍(しんがり)とか、ああ、なるほどねという感じ。もちろん、真相がそうだった

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    RanTairyu 2011/10/23