「ギリシャ警察は難民の命なんてどうでもいいと思っている。おぼれて死んだ人もいたと思う」 ファディ氏も海に投げ出され、漂流物につかまりながら3時間くらいは海の上を漂っていただろうか。手を貸してくれたのはトルコ警察だった。キオス島の近くまで連れて行くと「あとは泳いで行け」とだけファディ氏に伝えた。 SMSで連絡を取り待ち合わせたのは、フランクフルト中心部にあるマクドナルドの前。この街の住民の4分の1を外国人が占める。お互いすぐには分からないかもしれないと心配したが、5歳、7歳、9歳の愛らしい少女3人を連れ、マクドナルドの前の道の真ん中をたちつくす夫婦は他の外国人とは少し違って見えた。もちろん、自転車で現れた日本人の私に向こうも同じ感想を持ったに違いないが。 「どこかお店に行きましょうか」 私がそう言うと、「外ではだめですか?」と言う。店に入るのをあまりにも頑なに拒むが9月のフランクフルトはもう
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