クルーグマン氏と浜田先生とが米国、日本、ヨーロッパ、そして中国の経済を話題に意見交換した記録。いろいろ未解決問題も提示してあったり、また両者の見解の違いもわかり面白い。本書は学生や研究者、政策に興味を持つ人たちが自分で見解を深めていくきっかけを様々なネタとして提供していると思う。 以下は箇条書きに各章で僕が個人的にメモしたところ。本書の概要をメモしているわけではないので詳しくは同書を読まれるように。 第1章はアメリカ経済について。 クルーグマン:最低賃金引き上げによるモラル向上、離職率低下、生産性の上昇の確認。技能向上&勤労所得控除の組み合わせの従来の労働対策の限界の指摘。労働組合の組織率を上げることも重要。TPPは「どっちつかずの反対派」。格差拡大の動的メカニズムはピケティの議論に賛同するもの、多くは解き明かされていない。石油価格とシェールオイル(ガス)との関係についてはクルーグマンは思