カリスマ的人気で絶対権威=国民生活向上に尽力-民主化では限界も・プミポン国王 1992年5月20日、バンコクの王宮でタイのプミポン国王(右)を前にひざまずく当時の軍政のスチンダ首相(中央)とデモ隊指導者(左)=テレビ映像より(AFP=時事) 13日死去したタイのプミポン国王は、70年もの長期にわたった在位中、強い指導力で国家の危機を乗り越えてきた。国民生活向上に貢献する施策も打ち出し、カリスマ的人気を集める国民統合の象徴として、絶対的権威を確立した。 1927年12月、父マヒドン親王の留学先だった米マサチューセッツ州で生まれた。スイス・ローザンヌ大学在学中の46年6月、兄王ラマ8世の急死に伴い、18歳でチャクリ王朝第9代国王に即位した。 しかし、当時の王室は32年の立憲革命で絶対王制から立憲君主制に移行して以来、威信が大きく揺らいでいた。 スイスでの勉学を終えて51年末に帰国して以降