(英エコノミスト誌 2010年9月25日号) バラク・オバマ米大統領は、企業に敵対的だという定評を得てしまった。その状況を変えなければならない。 ウィンストン・チャーチルはかつて、商業のことを搾乳すべき牛か射殺すべき危険なトラと見なす、長年続く政治の恥ずべき伝統について嘆いたことがある。 ビジネスは所得や税収、その他すべてのものが寄って立つ富の源泉だ。チャーチルの言葉を借りるなら、「荷車を丸ごと引っ張る強い馬」である。 良識ある一国の指導者なら誰もが、産業界の人々に自分が企業に反感を持っているなどとは思われたくないはずだ。景気回復のために信頼が欠かせない時期であれば、なおのことだ。 その観点から言えば、バラク・オバマ大統領には既に、釈明すべきことがたくさんある。自分が企業を嫌っているという世間の見方をほとんど払拭しようとしない大統領は明らかに、厄介なほど怠慢な最高責任者と言わざるを得ない。